フィギュアの商品名にたまに「PVC」だの「ABS」だの書かれているけど、あれって何?っていう話。
1.「PVC」「ABS」等の正体
「PVC」等の記載はそのフィギュアが概ねどんな素材で作られているのかを示している。例えば、「PVC」と記載されている場合、そのフィギュアは「塩化ビニル」を素材にしているということ。
メーカーは、フィギュアの用途や生産コスト、クオリティ等を考慮して素材を選んでいる。
また、購入者も素材の特性を理解しておくことで、適切な管理ができるようになるため、フィギュアコレクターにとっても素材情報は重要となる。
2.素材の種類と特徴
■ PVC(塩化ビニル)
特徴
- 一番普及している一般的な素材
- 柔軟性があり、細かい造形も再現しやすい
- 価格帯が比較的手頃(1/7で15,000〜25,000円が多い)
メリット
- 生産しやすく量産向き
- 軽くて扱いやすい
- 色移りや破損に比較的強い
デメリット
- 暑さ・経年で「ベタつき」や「黄変」が起こることがある
- アルコール系でのクリーニングはNG
■ ABS(硬質プラスチック)
特徴
- 固くて強度がある
- 武器・台座・メカ部分によく使われる
メリット
- 精密なエッジ表現が可能
- 反りにくい
デメリット
- 衝撃に弱く折れやすい
- 単体で使われることは少ない(PVCと併用)
■ ポリレジン(冷鋳/レジンキャスト)
特徴
- ハイエンド塗装済みフィギュアに使用
- 重量が重く、質感が高い
メリット
- 細部の解像度が非常に高い
- 限定品に多い(ARTFX、コールドキャストなど)
デメリット
- 落とすと割れる/粉砕しやすい
- 価格が高い(2〜6万円台が多い)
■ ソフビ(ソフトビニール)
特徴
- 大型フィギュアやデフォルメ系(ウルトラ怪獣など)に多い
- 空洞で軽い
メリット
- 大型でも軽くて安い
- コレクター向けに根強い人気
デメリット
- 表面ディテールはそこまで精密ではない
- 熱で変形しやすい
