1.XWindowSystemとは
Linuxではコマンドライン操作が主だが、GUIでの操作も専用のソフトウェアを使用することで実現できる。X Window System(X、X11)はLinuxにGUIを実現するための仕組みの名称であり、それを提供する主流ソフトウェアが「X.org」。
2.Xの仕組み
Xはクライアントサーバシステムであり、クライアント側をXクライアント、サーバ側をXサーバという。Xクライアントが描画命令を出してXサーバがモニタに出力したり、キーボード入力をXクライアントに送信する等の関係性がある。
Xクライアント:GUIで操作する各ソフトウェアを管理。
Xサーバ:GUI操作で使う入出力デバイスとのやり取りを管理。
3.GUIへの移行(startx)
コマンドラインからGUI画面へ移行する場合に使用するコマンド
(1)書式
startx
4.X.orgの設定
X.orgの設定は以下ファイルで行う。
「/usr/share/x11」ディレクトリ:デフォルトの設定ファイル保管先
「/etc/X11/xorg.conf.d」ディレクトリ:手動設定ファイルの保存先
5.ユーザ・ホスト単位のXサーバへのアクセス制御(xhost)
xhostはユーザー・ホスト単位でXサーバへのアクセスを制限するコマンド。大雑把な設定しかできない。また、他ユーザーが勝手にGUIアプリを開けるためセキュリティ的に脆弱。
(1)書式
xhost オプション
(2)オプション
① + [ホスト名]
Xクライアントからの接続を許可。ホスト名指定でそのホストのみ接続可能。
④ – [ホスト名]
Xクライアントからの接続を拒否。ホスト名指定でそのホストのみ接続拒否。
6.認証トークンによるXサーバへのアクセス制御(xauth)
Xサーバへのアクセスを認証トークン(MagicCookie)で制御するコマンド。xhostより安全性が高い。
(1)書式
xauth サブコマンド
(2)サブコマンド
① list
Xサーバへのアクセスを許可するディスプレイ一覧を表示
② add ディスプレイ番号 許可ID
Xクライアントから接続可能にするディスプレイを追加。許可IDはXサーバで生成される認証情報で、listサブコマンドで確認できる