1.概要
誰でもファイルを書き換えたり実行できてしまうと不正アクセスやシステムの破損につながるため、一部の信頼できるユーザーだけが特定の操作をできるように制限をする必要があり、これを実現しているのがアクセス権。
Linuxでは1つ一つのファイル・ディレクトリに対して、所有者や所有グループが必ず付与される。通常は、ファイル・ディレクトリを作成したユーザー・グループが自動付与される。
2.内容
(1)アクセス権の構造
自動付与時にファイル・ディレクトリには、ユーザー・グループ・その他ユーザーのそれぞれに対して、アクセス権が付与される。アクセス権の構造は以下。
例)-rwxr-xr--
①最初の1文字
ファイルの種類を表す。-
:通常のファイルd
:ディレクトリl
:シンボリックリンク
②残りの9文字
先頭から3文字ずつ「所有者」「グループ」「その他ユーザー」に分かれており、それぞれに付与されたアクセス権を表す。
例)rwx
(所有者)、r-x
(グループ)、r--
(その他)
(2)アクセス権の種類
アクセス権には以下の種類がある。
権限名称 | 記号 | 意味 |
---|---|---|
読み取り権(read) | r | ファイルの内容を読み取る権限。 |
書き込み権(write) | w | ファイルに内容を書き込んだり、ファイルを削除する権限。 |
実行権(execute) | x | ファイルを実行する権限。 |
権限無し | – | 権限なし。 |
下記の権限を例にすると、グループに付与されている権限「r-x」は、読み取りと実行はできるが書き込みはできないという意味になる。
例)-rwxr-xr--